保険が使える漢方診療・漢方治療 証クリニック 東京吉祥寺・東京千代田区神田(漢方内科・内科・神経内科・漢方消化器内科)

証クリニック 東京 吉祥寺 0422-21-7701
証クリニック 東京 千代田区 御茶ノ水(お茶の水) 神田 03-3292-7701
文字サイズ文字サイズ:小文字サイズ:中文字サイズ:大
サイトマップ
リンク
トップ > こんな症状にこそ漢方を! > 咳喘息

咳喘息~漢方と吸入ステロイド薬との統合治療~

気管支喘息といえば、ゼーゼー音がして喘鳴を伴うものですが、喘鳴がなくて咳だけがでるタイプの喘息を咳喘息といいます。咳が長引き、通常の鎮咳薬ではなかなか改善しない場合に、咳喘息が疑われて、吸入ステロイド薬が用いられるというケースが多いようです。本当の咳喘息であれば吸入ステロイド薬が有効のはずですが、私たちのところには、吸入ステロイド薬で良くならなかった方がよく来られるのです。

漢方医学には、吸入ステロイド薬のように喘息を強力に抑え込むような薬はありませんが、咳嗽の内容によって、作用の穏かな薬を上手に用いるノウハウが素晴らしく、大半の症例には改善が得られていくものです。解説いたしましょう。

気管支炎のタイプ

風邪のあと1週間以上に亘って咳嗽が続きます。喘息と違って喘鳴がありません。

痰のでない咳(乾性咳嗽)では麦門冬湯ばくもんどうとうを用います。乾いた気道を潤して咳を鎮める薬です。典型例は、体が温まると顔を真っ赤にしてせき込む方です。痰がないので、コンコンとした感じの音が多いです。

痰の出る咳(湿性咳嗽)では清肺湯せいはいとうを用います。痰が多い場合、色が黄色い場合は抗生物質の併用を検討します。

気管支喘息のタイプ、あるいは気道過敏性の高いタイプ

痰は出ますが、無色透明の痰が多いです。咳にヒューヒュー、あるいはピーという高音が混じる場合もあります。こうした方には麻黄を含む薬を用います。麻杏甘石湯まきょうかんせきとうは汗がでて、口渇があり、赤ら顔を呈する方に用います。小青竜湯しょうせいりゅうとうは顔色が蒼く、鼻水がでる方が適応です。

これ以外にも苦しい身体部位によって処方を検討する場合があります。咽喉が苦しい部位と、胸が圧迫されて苦しい場合とでは薬が異なります。

効果の発現は早いです。急な咳でしたら1ないし2服で軽快へ向かいます。大半の咳嗽は1か月で楽になるものです。勿論、重症例、難治例のように時間がかかる場合もございます。効果のより強力な煎じ薬で対応いたします。気管支喘息では年余に亘る治療を要する場合が多いですが、吸入ステロイド薬から卒業できる方は珍しくありません。

気管支喘息の方を漢方薬で治療する際には、素人療法では危険となる場合がありえますので、必ず経験ある医師と相談しながら行ってください。吸入ステロイド薬との併用は原則、支障ありません。