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花粉症・アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎

 アレルギー性鼻炎にかかっている方は10人に1人とも2人ともいわれています。春先に発症することで有名なスギ花粉症はもっとも有名なものでしょう。それが、夏になっても秋になっても、さらには一年中続く通年性アレルギー性鼻炎になってゆくと、生活にも仕事にも支障が出てきます。全身的な症状も問題になります。体がけだるい、集中力が低下し、気分が憂鬱になる、イライラしやすくなるなど生活の質が低下します。このため、金銭的損失としても計算不可能なほどの障害をもたらしています。

花粉症

 では、アレルギーとはどんなものなのでしょうか。それは「免疫反応の過剰な反応」ともいえます。免疫とはヒトに有害な細菌やウイルスなどの病原体を自分とは別の異物と認識して体から排除する反応のことです。この記憶を残すことで二度目からはガードを固めて防御することができるのです。しかし人体にとってさほど有害でない花粉や、食物、ホコリ、ダニ、犬・猫の毛を異物=アレルゲン(アレルギーのもと)として反応してしまい、それを排除しようとする反応がアレルギーなのです。繰り返しアレルゲンに曝されると免疫の記憶は確かなものになり、アレルギーは治療困難になります。花粉は季節的なものですが、アレルギーの症状が続いているところに次の花粉がやってくるとこれにもアレルギーが形成されることになり、一年中存在するハウスダストやダニにも反応するようになるのです。アレルギーがなぜ起こるのかについてはいくつかの説がありますが、一つの原因で起こるというよりは複数の原因が重なって起こるようです。 この原因の中には避け得ないものもあり、アレルギーの治療を困難にしています。

アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎への対処方法

原因となっているアレルゲンの確認

 医療機関での検査(皮膚反応、血液検査)で明らかになるものが多いのですが、すべてではありません。

花粉症では季節性ですので、春先にはスギついでヒノキ、夏にかけてイネ科植物(スズメノカタビラ、カモガヤなど)、秋にはキク科植物(ヨモギなど)が代表です。  通年性アレルギー性鼻炎のアレルゲンとしてはハウスダスト、ダニ、カビ、ペット(犬、猫、ウサギ、ハムスターなど)の毛が有名です。

アレルゲンの除去・回避

 花粉の場合は外出時に花粉がつきにくい衣服・帽子、マスク・防塵めがね(アイカップのついたもの)を着用します。帰宅時には花粉を家に持ち込まないようにするため、花粉のついた衣服を脱ぎ、洗顔、洗髪をしましょう。 通年性アレルギー性鼻炎の場合は、室内は畳や絨毯は避けて、フローリングにしてこまめに掃除機をかけることが大切です。空気清浄機も機能や性能を確認して使用すれば効果的です。迅速に清浄化するためには、想定される広さの二倍以上の処理能力を持つ空気清浄機が必要です。

自律神経系の調節

 アレルギー性鼻炎の症状は、交感神経系の機能が低下する夜間から夜明けにつよくなることがあります。日中でも食事中は同じことが起こります。交感神経系の機能が低下し、副交感神経系機能が優位になると症状が悪化するといわれています。交感神経系の機能を高めるためには、軽い運動やストレッチ、乾布摩擦などが有効です。

薬物療法

内服

■抗アレルギー剤・抗ヒスタミン剤

 花粉症のように発症時期がわかっているものではインタールなどの効果発現まで二週間かかるものを予め服用しておくのもよいでしょう。くしゃみ、鼻水の症状が出てからは、マレイン酸クロルフェニラミン (ポララミン錠)がよく効くのですが眠気が強いことが欠点です。この眠気を少なくしたのが塩酸フェキソフェナジン(アレグラ錠)、塩酸セチリジン(ジルテック錠)、ベシル酸ベポタスチン(タリオン錠)など最近になって出てきた薬剤です。眠気が少なくなった分効果も弱くなっています。マレイン酸クロルフェニラミン(ポララミン錠)と同じくらいの効果を持ち眠気が ポララミン錠より少ないのが塩酸オロパタジン(アレロック錠)です。副作用としての眠気は個人差があります。カフェインを含む飲料で改善可能です。

■ステロイド剤

 抗アレルギー剤。抗ヒスタミン剤で抑えられないほど症状が激しい場合に使用されますが、あくまで緊急避難的に用いるべきです。くしゃみ・鼻水だけでなく、はなづまり=鼻閉にも有効です。セレスタミンはポララミンとステロイドの合剤ですので注意が必要です。

点鼻薬・点眼薬

 抗アレルギー剤(リボスチン点鼻・点眼)は軽症から中等症に使用され、重症になるとステロイド剤(フルコート点鼻、リノコート点鼻、フルメトロン点眼)を使用します。

市販薬(一般用薬剤)について

 一般用薬剤は医療用薬剤より薬効成分が同じでも、含有量が抑えられていることが多く、効果は穏やかとなっています。ただし、点鼻薬のなかで鼻粘膜の充血をとる塩酸ナファゾリンを含むものには注意が必要です。間を空けずに使用するとかえって鼻つまりがひどくなってしまうからなのです。6時間から8時間は間隔を空けたいものです。

アレルギーに効くといわれている健康食品

 数年間隔で花粉症に効くというふれこみの健康食品が市場に出てきます。アレルギー症状が軽い内は効く方も居られるようです。多くの方に効くようであればそれは健康食品ではなく薬品になります。そして、よく効くのなら毎年売られているはずですが、後から後から新規に商品が出てくると言うことは効かなかった方が効いた方より遙かに多かったと言うことではないでしょうか。

薬剤以外の治療法

減感作療法

 アレルゲンが数種類と少ない内は効果が期待できます。
 欠点は週に数回の注射を何年間にもわたって休むことなく続ける必要があること、稀にショックなど重篤な副作用が起こること。このため、軽症では希望する方はおられません。

手術療法

 鼻つまりがひどいときに検討されます。欠点は再発があること、アレルギーがよくなるわけではないこと。

まとめ

日常生活の中でまずご自分でできることからはじめて、主治医の先生とよくご相談なさって治療法の選択をしましょう。なんといっても症状の軽減が第一ですが、症状が治まってもアレルギーそのものを改善するように治療することをお忘れなく。

このような方に漢方をおすすめします

  • 西洋医学的治療で改善しても中止すると元に戻ってしまう、悪化してしまう。
  • 眠気などの副作用のため服薬を続けられない。
  • 西洋医学的治療で十分な効果が得られない。
  • 手術後、鼻閉は良くなったが、くしゃみ鼻水症状が改善しない。

花粉症・アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎には漢方を

漢方に何が期待できるか

アレルギー体質を西洋医学でも漢方治療でも根治することはきわめて困難です。しかし、漢方によりアレルギー体質の改善は図れます。漢方では生体の反応を過剰なものから正常に近づけるように導きます。アレルギー症状が軽症から中等症までは漢方単独でも対応可能ですが、重症になると西洋薬とくに外用薬の併用が必要になります。治療戦略として、まず症状を沈静化し、ついでアレルギー体質の改善に移ります。症状のない時こそがアレルギー体質の改善のチャンスなのです。

症状別漢方治療の実際

くしゃみ・鼻水型、涙目型

 漢方では水分の代謝障害=「水滞」もしくは「水毒」ととらえ、水はけを良くする生薬の含まれる処方を用います。代表的な生薬が[麻黄]で、小青竜湯麻黄附子細辛湯が確かな効果を持つためよく使用されます。この麻黄は中枢性に集中力を高める効果を持つため、眠くなるという副作用はありません。しかし、胃腸虚弱な方や血圧が高い方、不眠傾向のある方では用い方に工夫が必要です。水滞のある方では胃腸機能が低下していることが多く、この面の対策もいたします。

鼻閉型、眼球充血(赤目)型

 鼻粘膜の充血や鬱血がみられますので、漢方ではこれを微小循環障害=「お血(おけつ)」ととらえます。お血を改善する生薬の内でもとくに[川きゅう(せんきゅう)]の含まれる処方が鼻アレルギーに効果的です。重度の症状の改善には葛根湯加川きゅう辛夷が、軽症では荊芥連翹湯がよく使われます。お血病態にはのぼせ、イライラなど「気逆」の状態が一緒に見られます。短期的には、これらに対応する処方を選ぶこともあります。

症状がない時期の漢方治療=アレルギー体質の改善目的

患者1人1人に合った漢方処方を吟味しますので、決まったものはありません。ただ、症状がなくなると治療を続ける動機が薄れてきて、つい間が開いてしまう。そして、花粉のシーズンがくると再びお見えになるという渡り鳥のような方もおられます。できることなら、多少間が開いても症状のない時期に治療を受けていただきたいものです。

花粉症・アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎と漢方

漢方医は処方を決めるため、患者さんの全身状態を四診(視る、聞く、嗅ぐ、質問する、触れる)により把握し、局所の周辺(目・鼻とその周りの顔)を注意深く観察します。粘膜の状態は鼻にとどまらず、口腔内、咽頭、眼球結膜を、皮膚の状態も観察します。最後に精神状態の診断を加え、総合的に判断して処方決定します。アレルギー性鼻炎だからこの処方などと決められないのです。漢方専門医に相談するメリットはこの点にあります。漢方医学には長年の経験に裏付けられた体系的な理論があり、これを駆使することで漢方処方が活きるのです。花粉症・アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎の漢方治療については漢方診療に経験豊かな漢方専門医にご相談ください。