
薬になる食べ物!?
医食同源といわれますが、本来は薬食同源というべきものです。
食べ物と薬の間に境界はあるのでしょうか。
特保なんて訳のわからないものまで出てきています。
漢方医学で使用される生薬の中からわかりやすいものをあげましょう。
たとえば、生姜は生ですり下ろして冷や奴の薬味でしょうか。
漢方では乾燥させたものを乾生姜といい、胃腸機能の改善によく使います。
多く使えば吐き気止めにもなります。
さらに加熱してかちかちになるまで乾燥して飴色になったものを乾姜といい、冷えを改善するときに使います。
このように乾燥させたり加熱したりして使用目的にかなうように加工することを修治(しゅうち)といいます。この修治という行為が食物を薬物に変えるのです。
子供の夜泣きや疳の虫に使われる甘麥大棗湯という処方があります。
この処方は、甘草(甘味料としてよく使われました。)、小麦(しょうばくと読みます)、大棗(クロウメモドキの成熟果実を乾燥したもの)の三味からなり、煮込んで重湯のようにして飲みます。
味は想像通りでくどくない甘みで、ほっとします。
これらの材料は単体では食品ですが組みあわせることで薬になった例です。
注)一味で薬効をうたっているものが民間薬でありますが、漢方処方とは区別されます。
たとえ原料が植物であっても漢方薬ではないのです。