
夏によく使われる漢方薬について
夏によく用いられる漢方薬の一つに清暑益気湯があります。
清暑益気湯の「清暑益気」とは、熱を冷まして、失われた「気」を回復するといった意味です。
本剤には熱を冷ます生薬、汗を引っ込める生薬、胃腸を回復させる生薬などが含まれていて、食欲不振、下痢、全身倦怠、夏やせなど夏バテに効果があるとされています。
夏の暑さで、熱がこもってしまい、汗が止まらずに、胃腸もバテている、そんな状態にはもってこいのお薬です。
このほか、夏を乗り切るための漢方薬には、五苓散、白虎加人参湯などがあります。
ちなみに五苓散は五味猪苓散(5つの生薬からなり、中に猪苓を含む)を略したものです。
口が渇いて、汗がよく出る。一方で、おしっこが出にくい。
そんな軽い脱水のような状態を改善します。
その他、子どもさんが繰り返し吐いて、水分をとってはまた吐いて、といった状態や、
お父さんの二日酔いにも効果があります。
白虎加人参湯は、白虎湯に人参が入ったものという意味です。
こちらは、体の中に熱を持ってしまい、五苓散よりも、さらに口が渇いて、汗が出る。
おまけにおしっこも出る。そんな状態に用いるお薬です。
脱水や夏バテなど、夏に多くみられる症状にも、漢方は有効なのです。